■ 痛風のニュース -2-
気象の変化が影響する病気を気象病といい、その中で特定の季節に集中して発生すものを季節病と呼ぶ。春の花粉症、夏の熱中症、秋のぜんそく、冬のインフルエンザ、循環器系の病気などである。近年、増加しているのが夏の泌尿器結石と痛風で、夏に多い原因の第一は水分不足と考えられている。結石は腎臓で尿が作られる際、カルシウムや尿酸などの成分が多いと結晶化して石のような状態になるもの。尿管を通過する際に激しい痛みを伴うのが特徴だ。結石ができるのは、ほとんどの場合が水分不足である。大量に汗をかく夏場は体内の水分不足で尿の濃度が高まり、結石ができやすくなる。痛風も尿酸が結晶化して足の親指や関節に炎症を起こすもので、原因はほぼ同じだ。予防策は水分を多めに摂取し、尿を濃くしないことに尽きる。十分な水分補給をしていれば尿が薄められて結石ができにくいし、結石ができてもごく小さいうちに尿と一緒に排出されて、痛みもほとんどない。しかし、夏場にはほとんどの人が汗の量に見合う水分補給をしていない。特にスポーツをするときは注意が必要だ。激しい運動は尿酸を増加させるうえに、疲労とともに血中に増加する乳酸が尿酸の排せつを遅らせるからだ。もうひとつの予防策は飲食に注意することだ。ビールは利尿作用が強いため、飲んだビールの量よりも排せつされる水分の量が多く、実は水分補結にはなっていないことを知っておいてほしい。飲酒をするとアルコールが分解される際に体内で尿酸が作られるが、特にビールは飲む量が多くなるために注意が必要だ。また、酒のさかなのうち、珍味類にも尿酸のもとになるプリン体が多く含まれている。過去に結石ができた人はカルシウムの多い乳製品や、体内に尿酸が増加しやすい肉類の摂取を控えめにすることも大事である。コーヒーや紅茶、緑茶も利尿作用があるので、夏場はこれらを控えめにし、水分補給は水、麦茶、スポーツドリンクなどで行うのが効果的だ。
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